2022.07.26

「強すぎるRIZIN女王」は教員を目指す大学院生だった。伊澤星花が振り返る柔道から総合格闘技への転向と、頂上までの2年間

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • Photo by 東京スポーツ/アフロ

女子格闘家ファイル(4)

伊澤星花インタビュー 前編

(連載3:「美女ボクサー」という紹介に「色モノにはなりたくない」。日本王者・鈴木なな子がプロを選んだ理由>>)

 強い。シンプルに強い。2020年6月から総合格闘技の練習を始め、10月にプロ格闘家としてデビューした伊澤星花は、日本の女子格闘技の進化のスピードを一足飛びに越えた。

 デビューからわずか8カ月後、プロ3戦目でDEEP JEWELSストロー級の王座を獲得。その半年後、RIZIN初参戦の試合で、日本人選手相手に無敗だった浜崎朱加に勝利し、そのダイレクトリマッチも制してRIZIN女子スーパーアトム級のベルトを手にした。

 現在は東京学芸大学の大学院生で、教員免許を持つという一面も。今年6月30日には、DEEPバンタム級暫定チャンピオンのCOROとの婚約を発表したことも話題になった。そんな彼女のここまでの歩み、目指す格闘家像などを聞いた。

2022年4月のRIZINで、浜崎朱加(左)を攻める伊澤星花(右)2022年4月のRIZINで、浜崎朱加(左)を攻める伊澤星花(右) この記事に関連する写真を見る ***

高校時代は朝5時起きで、走って勉強して朝練へ

――わずか6戦でDEEP JEWELSとRIZINの2冠女王となりましたが、伊澤選手のバックボーンは?

「柔道とレスリングですね。柔道は4歳の頃から始めて、レスリングは柔道と並行して小学校4年生から中学校3年生までやっていました。作新学院高校では柔道部に入って、そちらに専念することになりました」

――高校で柔道を選んだのはなぜですか?

「中学3年生の時に、レスリングの全中(全国中学生レスリング選手権大会)で優勝したんですが、そこで『もういいかな』という気持ちになったんです。それまでも平日は柔道、土日にレスリングという生活で、柔道に重きを置いていましたし。むしろ、頑張っていた柔道でなかなか勝てないのが悔しくて、『もっと強くなりたい』と思って高校では柔道を選びました」

――結果が出たレスリングでオリンピックを目指す、という気持ちにはならなかったんですか?

「もともと柔道もレスリングも、オリンピックに出ることが目標ではありませんでした。全中も『あ、優勝したんだ』みたいな感じで(笑)。もっと大きな大会で勝ちたいという欲はなかったんです」

――作新学院の柔道部はいかがでしたか?

「すごくキツかったですね。ただ、私も頑張り屋だったので、それにプラスして朝練の前に走ったりしていました。朝練は7時くらいからだったので、5時には起きて走りに行って、6時からはその日の勉強の予習をして朝練に行く。毎朝、『起きて、走って、勉強して、朝練』という感じでしたね(笑)。自分でもよく頑張ったなと思います」