「強すぎるRIZIN女王」は教員を目指す大学院生だった。伊澤星花が振り返る柔道から総合格闘技への転向と、頂上までの2年間 (3ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • Photo by 東京スポーツ/アフロ

「下手だな」と気づいて打撃を強化

――今はまだ大学院生とのことですが、卒業の予定は?

「本当は今年の3月に卒業する予定だったんですけど、卒業論文の提出期限が近い大晦日に(浜崎との)試合が決まって。さすがにどっちもやるのは無理だったので1年延ばしました。今は通学はせずに、先生とZoomなどをしながら論文を進めています」

――ご両親は、伊澤選手が教師になると思っていたんじゃないですか?

「そんなこともないと思いますよ。両親は『元気であればそれでいい。自分の好きなことをやりなさい』という感じなので。ケガをした時はすごく心配してくれますし、試合後にはケーキを用意してくれたりと、本当に応援してくれています」

――ちなみに、試合前の"勝負メシ"はありますか?

「計量が終わったあとは鍋と、鰻を食べます。あとはプリンとか甘いものですね」

――武尊選手も試合前には鰻を食べるそうです。

「格闘家は鰻を食べる人が多い気がします(笑)」

――1日のうち、練習に割く時間はどのくらいですか?

「基本的に練習は毎日やっています。ジムでの練習だけじゃなく、自主練も含めて2時間半~3時間くらいの練習を昼と夜に。器具を使ったトレーニングもそんなにやっていなくて、対人練習や自重のトレーニング、走り込みなどが中心です」

――重点的に強化している部分はありますか?

「『下になっても絶対に(相手に)極められない』という自信はあるんですが、私もそこからの展開が作れていない。だから最近は下になった状態で、極められる寸前というところから逃げる練習や、自分がいいポジションを取り返す練習をしています」

――打撃に関してはどうですか?

「最近、自分の試合の動画を撮って見直すようになって、やっと『メッチャ下手だな』と気づきました(笑)。だからこそ、ここからもっと強くなれる部分だとも思っています」

――総合格闘技を始めるまで、打撃はやっていなかった?

「そうですね。プロデビューが10月で、12月にストロー級暫定王者の本野美樹選手とノンタイトルで試合をして勝つことができたんですが、『これからは打撃もやらないと勝っていけない』と思うようになったんです」

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