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「オリンピックの影響力はすごい」女子ボクシング・並木月海が語る銅メダル獲得後の変化と今後 (2ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Kai Keijiro

── 珍しい右利きのサウスポー。ご自身のファイトスタイルをどのように捉えていますか。

「回転の速さやステップワークが持ち味ですね。基本的に相手のほうが身長は高いので、細かく動いて相手に判断をさせないボクシングを心がけています。もともとカラテをやっていたのでパワーはあるとは思うのですが、やはり先ほど言ったフィジカル面での課題があるので、今は土台からつくり直しているといった感じですね」

── 昨年の暮には全日本選手権を初制覇。成果は出ていると感じていますか。

「国内であれば十分通用するとは思うのですが、やっぱり私が目指している場所を考えると、まだまだ成長が必要だと思っています」

「倒し屋」と呼ばれた過去

── 並木選手にとって、ボクシングの魅力とは何でしょうか。

「普段の私は、人前に出たり、話をすることがあまり得意ではないんです。だけど、リングの上は別の自分を出すことができる。ボクシングは違った自分を表現できる場所なので、そういうところが好きですね」

── 日常と非日常ですね。恐怖心みたいなものはないんですか?

「それが幼稚園の時からカラテをやっていたおかげで、殴られる怖さとかそういったものはまったくないですよね(笑)。それが当たり前の環境で育ってきたんで」

── じゃあ格闘技を辞めたいと思ったことはないのですか?

「中学校1年生の時、普通の女の子の生活がしたいって、格闘技を辞めて陸上部に入ったことがあったんです。普段は学校と道場の往復でしたから、学校終わりに友だちと遊ぶというのに憧れて......。けど、なんか物足りないなって思って、結局1年後にフィットネス感覚でボクシングを始めたんですけど、いつの間にかこんなことになってしまって(笑)」

── ハハハ。その後、ボクシングの名門である花咲徳栄高校に進学し、高校時代は27戦無敗で"倒し屋"と呼ばれていました。

「うーん、もっとかわいいのがよかったんですけどね(笑)」

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