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「オリンピックの影響力はすごい」女子ボクシング・並木月海が語る銅メダル獲得後の変化と今後 (3ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Kai Keijiro

燃え尽きるような試合がしたいと語る並木月海燃え尽きるような試合がしたいと語る並木月海この記事に関連する写真を見る── 無敗となると相手がいない。どうやってモチベーションを保っていたんですか。

「もちろん試合があれば、それをモチベーションにするんですけど、女子はそれほど試合が多いわけではないんです。ただ、私は"できない"というのが嫌いで、とにかくできるようになりたい。だから練習が好きで、それがモチベーションになっていました。できなかったことが練習でできるようになる。そんな小さな積み重ねに喜びを感じながらここまで続けてきた感じですね」

理想の選手はいない

── コツコツと練習を続けられるのも才能ですね。強さの源はそこにある、と。目指しているボクサー像はありますか?

「ボクシングの試合はよく見るのですが、ただ正直、誰かみたいに戦いたいなって思うことはないんです。やっぱり戦い方って人それぞれ違うじゃないですか。強い選手を見て『これいいな』ってものを試したりもしますが、合うか合わないかは別問題ですし、だから『この選手みたいになりたい』というのはないんです。私は身長も低いし、リーチも短いので、自分なりのスタイルを見つけていかなければいけないと思うんです」

── 唯一無二のオリジナルの並木スタイルで頂点を目指す。今後は2024年のパリ五輪が目標ということになりますか?

「そうですね。選手として今後のことを考えていくうえで、じつは私自身、まだ一度も満足した試合をしたことがないんです。だから今は優勝とか勝ち負けというよりは......」

── 燃え尽きるような満足のいく戦いがしたいと?

「はい。納得のできる試合を一度でもいいからしてみたいというのが正直なところなんです。それが世界選手権なのかオリンピックなのかわかりませんが、レベルの高い場所ならそれができる可能性がありますよね。こんなことを言ったら語弊があるかもしれませんが、オリンピックで金メダルを獲ったからといって、それが満足できる試合になるのかはわかりません。どういう試合ができたら満足するのかも、まだ想像がつかないんです。だから今は、一戦一戦、必死に頑張れたらなと思っているんです。毎日の練習でやりがいも感じていますし、まだまだ多くの方に女子ボクシングのことを知ってもらいたいので、次をしっかり目指していきたいと思います」

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