「井上尚弥は違う銀河系にいる」。ドネア戦を実況した米アナが「いつもと違った戦い方」や今後、PFPなどを語り尽くした
井上尚弥(大橋)が見せた完璧なまでの強さは、世界ボクシング界に新たな衝撃を呼び起こした。
ドネア(右)を2回TKOで下した井上 6月7日、さいたまスーパーアリーナで行なわれた世界バンタム級3団体統一戦で、WBAスーパー、IBF王者の井上はWBC王者ノニト・ドネア(フィリピン)に2回TKO勝ち。将来の「殿堂入り」が確実なドネアをまったく寄せつけないパフォーマンスは、"モンスター"の面目躍如だったと言っていい。
多くの海外メディアも度肝を抜かれ、井上の底知れない能力をあらためて高評価している。米国内で今戦を配信した『ESPN+』の実況アナウンサーを務めたコーリー・アードマン氏も、井上の強さに驚嘆したなかのひとりだ。
来日は叶わなかったものの、多くのリサーチを重ねて井上対ドネア戦を伝えたアードマン氏はこの試合をどう見たのか。井上戦の実況を務めた経緯、井上の強さ、今後の展望、すでに『リングマガジン』では1位となったパウンド・フォー・パウンド(PFP)の行方などをじっくり語ってもらった。
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現在、私はフリーランスのアナウンサーとしてESPN、DAZN、PBCなどの興行で実況を務めており、井上vsドネアの再戦は試合の約2週間前に依頼を受けました。その時点で、6月4日にオーストラリアでジョージ・カンボソス・ジュニア(オーストラリア)vsデビン・ヘイニー(アメリカ)戦を、10日にはメキシコに飛んで京口紘人(ワタナベ)vsエステバン・ベルムデス(メキシコ)戦を実況することが決まっており、残念ながら日本に行くことは叶いませんでした。
そういった経緯から、私の自宅があるカナダのスタジオから実況することになったのですが......井上vsドネアは本当に衝撃的な内容だったので、日本のリングサイドで実況できたらすばらしかったでしょうね。
井上のパフォーマンスはとてつもなかった。好調時の井上は映像から飛び出してくるような迫力を感じますが、今回もそんな戦いぶりでしたね。井上のオフェンス面のスキルは飛び抜けており、2020年10月のジェイソン・モロニー(オーストラリア)戦を一緒に見た友人は、それほどボクシングに詳しくないですが「ビデオゲームに出てくるボクサーのようだ」と驚いていたのをよく覚えています。井上のスピードとパワーはそれほど現実離れしているということです。
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