「オリンピックの影響力はすごい」女子ボクシング・並木月海が語る銅メダル獲得後の変化と今後
並木月海インタビュー(後編)
東京五輪ボクシング女子フライ級で銅メダルを獲得した並木月海。インタビュー前編では、幼馴染である那須川天心について聞いたが、後編では自身のボクシング人生を中心に語ってもらった。パリ五輪での金メダルはもちろんだが、いま並木が本気で目指しているものとは──。
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オリンピックの影響力
── オリンピックで銅メダルを獲得して、なにか環境の変化などありましたか。
「私自身、なにか特別に変わったということはないのですが、オリンピックをきっかけに講演やイベントに呼んでいただくことが増えて、試合とは別にボクシングを知ってもらえる機会が増えましたね。女子ボクシングの普及や知名度アップが私のやりたいことのひとつなので、ありがたいことだと思いますし、オリンピックの影響力はやっぱすごいなって」
── あらためて銅メダルという結果を振り返って、思うことはありますか。
「すごく誇りに思っていますし、悔しいという気持ちになれたのはよかったと感じています。正直、負けた直後は『メダルはいらない』という思いになったんです。けどその後、普段応援してくださる方々はもちろん、試合を見てくれたたくさんの方がSNSを通し『誇りに思う』と言ってくださり、表彰台には笑顔と感謝の気持ちを込めて上がりたいと思えるようになりました。もちろん勝ち負けにこだわる勝負師ではあるのですが、オリンピックを通して、それ以外に得るものがあるということを知れたのは成長できた部分だと思います」
── なるほど。ではオリンピックで感じたご自身の反省点や課題はどこになりますか。
「戦っているフライ級は一番軽い階級なのですが、私の身長は153センチで、海外勢は160センチ台が当たり前になります。小柄なのでやはりフィジカル負けという面は大きかったと思います。ただ技術面に関しては準決勝に至るまで5−0の判定勝ちをしてきたことで通用すると感じましたし、次につながると考えています」
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