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ぱんちゃん璃奈がどん底だった7年間。「これを逃したら幸せになれない」とキックボクシングにしがみついた (3ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 撮影●田中亘 photo by Tanaka Wataru

――その状態がどのくらい続きましたか?

「学校をやめて4、5年後にまた体を動かし始めて、7年後にキックボクシングに出会うまでですかね。その時は、『もう頑張るのをやめよう。楽しく生きよう』と思いました。自尊心を保つために、社会に出て働くことを諦めてもいいんじゃないかと思ったんです。

 バイトはしていましたが、足りない分は申し訳ないけど親にお金を出してもらって、毎日トレーニングしていました。もともと運動は好きでしたし、運動している時だけ元気になれたので、キックボクシングにのめり込んで行きました。『これを逃したら自分は幸せになれない』という、しがみつく感じもあったと思います」

――それが今や、RIZINのリングに上がるプロの格闘家に。キックボクシングは自分に合っていたんですね。

「命がかかっている感じがたまらないです。自分の顔が変形するスポーツって格闘技以外にないですよね。弱かったらボコボコにされるので、それが嫌だからする側に回りたいんですよ(笑)。格闘技は油断ができない。恐怖とも戦って、いざ試合に勝った時はすごく達成感があります」

――実力アップのため、タイでも武者修行をしたそうですね。

「コロナ禍の前は、ひとりでタイに8回行きました。鈴木(秀明)会長(STRUGGLE代表)の知り合いが経営しているジムに行ったんですけど、メンタルをやられましたよ。お金がなかったので1泊1000円くらいのホステルに泊まっていたんですが、まずお湯が出ない。それでも冷たいシャワーを浴びていたら、いろんな虫や、トカゲ、ヤモリとかも出てくるんです。でも、裸だから外に出られないじゃないですか。それがつらかったです。今、思えばタイだから当たり前のことだと思うのですが......」

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