ぱんちゃん璃奈がどん底だった7年間。「これを逃したら幸せになれない」とキックボクシングにしがみついた (5ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 撮影●田中亘 photo by Tanaka Wataru

――YouTubeやSNSなどの影響もあって、ここ1年でファンも大きく増えたと思いますが、実感はありますか?

「実感はあるんですが、実は1日10件くらいSNSでメッセージが来るんですよ。朝倉未来選手のYouTubeチャンネルに出た際に、『私は蹴っちゃう気質です』と言ったら、『蹴ってください!』『前蹴りでも大丈夫です!』というお願いが来るようになっちゃって。それで興奮されても困るので、相手にはしないですけど(笑)」

――格闘家としての最終目標はありますか?

「海外の大きな興行に挑戦するのが夢です。キック、ムエタイ、どっちでも挑戦したいですね。海外だと52kg以上がほとんどなので、40キロ級の階級を作ってくれたら......と思います。強い選手がたくさんいて、今出てもボコボコにやられるでしょうから、出るならさらに1年くらい修行したいです」

――最後に、ぱんちゃん選手が考える"強さ"とは何ですか?

「リングの上でしか証明できないものだと思っています。どんなに普段の練習で強かったとしても、リングで発揮できなければ"強い"とはならない。逆に、リングの上でメッチャ強い人もいるのが、また面白いですよね。

 RIZINでいえば、3分間×3ラウンド、たった9分間でしか強さは見せられない。緊張したり、コンディションが悪くていい試合ができなかったら"弱い"と思われてしまうので、短い時間で輝きを放てるよう日々頑張っています。技術、メンタルも含めて、リング上でより強い姿を見せていきたいです!」

(ファイル2:渡辺華奈 プロ11戦無敗から35秒TKO負け。今やるべきことは?>>)

取材協力:STRUGGLE

【プロフィール】
■ぱんちゃん璃奈(りな)

1994年3月17日生まれ、大阪府出身。幼少期から水泳をはじめ、中学3年の時に陸上部にスカウトされると才能が開花。しかし高校1年の時にオーバートレーニングによる疲労骨折で練習ができない日々が続き、高校を中退した。新たな環境を求めて上京し、現在所属するSTRUGGLEに入会。アマチュアで12戦11勝という戦績を残して2019年2月にプロデビューし、無敗のまま2021年9月にRIZINに初参戦して12連勝を飾った。現・KNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者。リングネームは、『ドラゴンボール』に出てくる孫悟空の孫娘「パン」に由来する。

5 / 5

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る