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グレイシーがまさかのタオル投入。
桜庭和志がホイス戦圧勝で歴史を変えた (5ページ目)

  • 佐瀬順一●取材・文 text by Sase Jun-ichi
  • 長尾迪●撮影 photo by Nagao Susumu


 入場早々からあらゆる面において、桜庭はグレイシーを挑発しまくってきた。だが、それだけグレイシーに対してムカついていたのだ。

 1999年11月の試合で負けたホイラーはもう逃げられないほど技が極まっているのに「俺はギブアップしていない」と言い張るし、ヒクソンは対戦要求しても無視。さらにホイスは試合前にあれこれ条件を要求してくる。ようやくその怒りをリング上でぶつけられる日が来たのだ。

 試合が始まっても桜庭は終始、余裕を持って試合を進めた。組もうとするホイスに対し、渾身のローキックを何発も叩き込む。足にダメージを受けながらもコーナーに押し込むホイスだが、コーナー際でホイスの腕をスタンディングのアームロックに捉えた桜庭は、テレビカメラに向かってニヤリと不適な笑みを浮かべた。

 この笑顔がオーロラビジョンに映し出されると、場内のボルテージは一気に上昇した。

「これは本気でいけるかもしれない!」「桜庭、強い!」「これならホイスに勝てるぞ!」

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