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中西学のレスラー人生ヒストリー。
レジェンド集合のなかリングを去った (6ページ目)

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi
  • photo by Hiraku Yukio/AFLO

 固く目を閉じ、引退の10カウントを噛みしめるように聞いた中西が、胴上げで3回宙に舞った。最後の締めコールではマイクを忘れ、あらためて棚橋にマイクを渡されると、照れながら「(締めコールは)やったことないから」と満面の笑み。会場からも笑いが起きるなか、中西は「1、2、3、ホォー!」と声を上げ、自らの引退試合に幕を閉じた。

 試合後のインタビューでは、記者からの「天国のお母さんも『お疲れさま』と心から言ってくださっていますよね」という質問に、一瞬天を仰いで「言ってくれたらホンマに......お母ちゃんの好きだったものでも供えて、手を合わせたいと思います」と答えた。

 膝や肘にサポーターをせず、黒のショートタイツに黒シューズという"ストロングスタイル"を最後まで貫いた中西。低迷期の新日本プロレスを支えた、強くて、デカくて、優しすぎたレスラーがリングを去った。

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