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中西学のレスラー人生ヒストリー。
レジェンド集合のなかリングを去った (4ページ目)

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi
  • photo by Hiraku Yukio/AFLO

 最後は小島がラリアットからの片エビ固めで中西から3カウントを奪った。試合後に健闘を称え合い、他の3人がリングを降りるなか、中西は名残惜しげにリングの四方に頭を下げて両手を天に突き上げた。

 胸の中にあった決意がその行動に表れたのだろう。獣神サンダー・ライガーが引退式を行なった翌日の1月7日、中西は2月22日の後楽園ホールで引退することを発表した。先輩レスラーの引退ロードを妨げない、中西らしい気遣いが感じられる引退記者会見で、次のように思いを語った。

「首のケガで思うような戦い方ができず、ずるずるとこの状態で続けているよりもしっかりけじめをつけたい。『昔はあんなことができた』というよりも、自分の中にある熱いものを2月22日まで使いきって、レスラー人生を全うしたいと思います」

 引退試合はやはりタッグマッチ。同コーナーには"第三世代"の永田、天山、小島。対するは、オカダカズチカ、棚橋、飯伏幸太、後藤洋央紀という、現在の新日トップ選手が顔を揃えた。

 中西は、味方の永田を得意技のアルゼンチンバックブリーカーで持ち上げ、棚橋や飯伏に投げ捨てるという、予測不能の野人殺法を繰り出す。引退試合とは思えぬ動きを見せる中西だったが、最後は後藤のGTR、飯伏のカミゴェ、オカダのレインメーカー、そして棚橋のハイフライフローと、各選手の必殺技を連続で受けてリングに散った。

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