比嘉大吾、669日ぶりのリング。支えた長谷川穂積と内山高志の助言

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Jiji Photo

 669日ぶり、比嘉大吾(白井・具志堅スポーツ)がリングに帰ってきた。

 満員の東京・後楽園ホール。前売りチケットは完売し、50枚用意された当日券も、瞬く間に売り切れた。沖縄からも約250人の応援団が駆けつけ、この日を待ちわびたファンたちが、リングに向かい花道を歩く比嘉に声を振り絞る。

見事なTKO勝利で復帰戦を飾った比嘉大吾見事なTKO勝利で復帰戦を飾った比嘉大吾「おかえり、大吾!」

 しかし序盤、会場の熱狂とは裏腹に、比嘉のパンチは何度も空を切った。2年近いブランクの影響を、比嘉自身が「ボクシングはそんなに甘くない」と、誰よりもわかっていた。

 それでも、15試合連続KO勝利の日本記録を生んだ拳は、錆びついてはいない。6回、右ボディーで最初のダウンを奪うと、直後に再び右ボディーでジェイソン・ブエナオブラ(フィリピン)をキャンバスに沈める。プロ15戦のフィリピン人ボクサーは立ち上がることができず、キャリア初のTKO負けを喫した。

 2018年4月、比嘉はWBC世界フライ級3度目の防衛戦の前日計量で、リミットの50.8キロを900グラム超過し失格。王座を剥奪され、ボクサーライセンス無期限停止処分を受けていた。

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