五輪の空手「全8種目で金メダル」なるか。世界大会に見る日本の実力
空手界に朗報が届いたのは2016年8月のことだった。五輪開幕直前のリオデジャネイロで行なわれたIOC(国際オリンピック委員会)総会で、野球・ソフトボール、サーフィン、スケートボード、スポーツクライミングとともに、2020年東京五輪限定での追加種目に認定されたのだ。
早朝の東京・日本空手道会館には関係者や選手が集まって、多くの報道陣とともに総会の中継映像を固唾を飲んで見守り、リアルタイムで歓喜の瞬間を迎えた。栗原茂夫全日本空手連盟副会長は「あとから嬉しさがきたよね」と、長年の努力の結実をかみしめた。
五輪と空手との関わりは約30年前にさかのぼる。1985年、当時の世界空手連合がIOC から加盟の承認を受ける。その後、流派の違いによる団体間のトラブルによりIOCから外れることもあったが、1991年にIOCから再承認を受けると、2005 年に初めて北京五輪の種目を目指して立候補した。その北京五輪と続くロンドン五輪、リオ五輪では採用されず、ようやく東京五輪で悲願成就。世界的には柔道をしのぐ競技人口を持つとも言われる空手にとって、歴史的な出来事だった。
ワールドゲームズの女子組手68キロ超級で優勝した植草歩 空手の主要な国際大会といえば、まずは2年ごとに行なわれる世界選手権が挙げられる。次いで4年ごとに行なわれる非五輪種目の国際総合競技大会、ワールドゲームズ。また、世界空手連盟(WKF)が主催する、世界を転戦するツアー形式の「karate1プレミアリーグ」(2017年は5大会)も重要な大会のひとつだ。
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