五輪の空手「全8種目で金メダル」なるか。世界大会に見る日本の実力 (4ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko 空手道マガジン月刊JKFan●写真提供 photo by JKFan

「いつも日本は形では勝つのですが、組手は1位が全体の中にひとり、ふたりという感じです。アジアの国々がとても強いので、その中でみんなが切磋琢磨していくことで、競技のレベルが上がっていくと思う。そこが素晴らしいことだと思うし、自分もがんばらなきゃいけないと思います」

 圧倒的な成績を誇る植草にしても、昨年の日本選手権も含め、耐えながら隙を狙う展開の中での勝利が多く、ワールドゲームズで優勝した後も、「いつもああいう感じの試合で......。もっとかっこいい、強い試合をしたいんですけど、自分に合ってないというか、なかなかそういう試合ができなくて。まあ、その中でも、自分なりの勝ち方でいいかなとも思うけど」と、複雑な表情を見せた。

 男子84キロ級世界選手権王者で、前回覇者でもある荒賀龍太郎が決勝で敗れ、銀メダルに終わったのは想定外だったが、84キロ超級の香川は初出場で初優勝を果たした。また、宮原は銀メダル、染谷は銅メダルを獲得している。

 林監督はワールドゲームズでの戦いをこう総括した。

「(決勝で敗れた)荒賀は非常に悔しかったけれど、最後に植草と香川が続けて勝ってくれてホッとしています。最重量クラスは世界大会では久々の優勝だと思います。そういう意味では香川の優勝は本当に嬉しいですね。オリンピックを3年後にひかえている中で、出てくれた選手は精一杯活躍してくれたので、オリンピックにもつながるような戦いができたと思っています」

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