五輪の空手「全8種目で金メダル」なるか。世界大会に見る日本の実力 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko 空手道マガジン月刊JKFan●写真提供 photo by JKFan

 今年に限れば、最も大きな大会は7月にポーランドのヴロツワフで行なわれたワールドゲームズ。日本から7選手が出場し、金メダル4、銀メダル2、銅メダル1と、全員がメダルを獲得する活躍を見せた。

 ワールドゲームズでは、本番である東京五輪に近い試合方式が採用された。1階級8人(五輪では10人)が2組に分かれて総当たりのリーグ戦を行ない、各組上位2人ずつがトーナメントで戦う方式だ。「総当たりをやってトーナメントやって、イメージとしては(五輪は)こんな感じになるのかなと思っています」と林晃監督が言うように、日本チームは勝負以外にも、本番のイメージをつかむという明確な目的を持ってこの大会に臨んでいた。

 ワールドゲームズでのメダル獲得数からわかるように、現在、日本は強豪国の筆頭に挙げられる。特に「形(かた)」は、男子の喜友名(きゆな)諒、女子の清水希容(きよう)がともに世界選手権で2連覇中。ワールドゲームズでも圧倒的な強さで優勝している。

「形」は1人ずつ演武を行なって、5人のジャッジが旗をどちらに上げるかを競う。喜友名は全ての試合で5本の旗を取って完勝。清水も1次リーグでスペインの選手との試合で2本の旗を取られ、同じ選手と対戦した決勝で1本の旗を取られただけだった。

 とはいえ、彼らが背負うのは単なる勝負を超えたものだ。清水が説明する。

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