【ボクシング】山中慎介が激白「アイツと戦えるなら階級を上げてもいい」 (3ページ目)

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro  是枝右恭●撮影 photo by Koreeda Ukyo

山中慎介(左)の話を熱心に聞くインタビュアーの漫画家・松原利光(右)山中慎介(左)の話を熱心に聞くインタビュアーの漫画家・松原利光(右)山中 自分では分からないんですよね。リングに上がると、勝手にスイッチが入ってしまうというか、止められないです。もちろん、冷静でいようと心がけてはいるんですけど。

松原 まさに本能ですか?

山中 そういう部分はありますよね。自分の試合の映像を見ていると、(顔が)ニヤけている時があるんですよ。漫画のようにニヤッという感じで、うっすらと笑っていたりする。それも無意識でやっているんで、映像を見て初めて気づくので驚きますね。

松原 漫画を描く上で参考にしたいのですが、選手がよく「向き合った瞬間、強いと分かった」というコメントをしますよね。それって、例えばどこを見て感じるのですか?

山中 具体的にどこ、ということではないんですよね。構え合った時の微妙な距離感であったり、ちょっとした動作であったり、それこそ雰囲気であったり……。パンチを1発も出さなくても感じるものはありますし、ジャブで牽制している時に感じることもあります。

松原 なるほど。では、今まで向き合って、最も「ヤバい!」と思った選手は誰ですか?

山中 正直、今まで「やりにくいな」と思った選手はいますけど、「こいつ、ちょっとヤバいな」という感覚になった選手はいないんですよね。

松原 すごいですね。つまりまだ、「際際(きわきわ)の戦い」は経験していないのですね。

山中 そうですね。そういう質の相手と、早くやってみたいですね。

松原 やはり、強い選手とやりたいものですか?

山中 もちろん、長く防衛して、お金を多く稼いで……というのもアリなんでしょうけど、僕はもう32歳なので、これから5年、10年とボクシングができるわけじゃない。それならば、相手の質にこだわりたいです。本当の満足感を得られるために必要なのは、やっぱり相手の質だと思うので。

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