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【総合格闘技】UFC JAPANで伝えたかった、
PRIDE&K-1王者のメッセージ (2ページ目)

  • 石塚 隆●構成 text by Ishizuka Takashi
  • photo by NAOKI FUKUDA / WOWOW

 そして3ラウンド、互いにスタミナを失ってスタンディングでの殴り合いになると、ハントはガードもせずに突進。ストルーブのジャブに対し、左の返しフックでダウンを奪ってTKO勝ち。その瞬間、会場は大歓声に包まれた。

 ハントの豪快さは、UFCの『スポーツ的』とは異なるものの、かつてのPRIDEやK-1を思い出させる、いい意味でどこか懐かしい匂いがした。

 それをより強く感じさせたのが、メインイベントのヴァンダレイ・シウバ(ブラジル)の試合だ。PRIDEの絶対王者だった『レジェンド』の6年半ぶりの日本帰還に、会場はヒートアップ。まさしく、PRIDE時代を彷彿とさせる光景が広がった。

 打撃が得意なブライアン・スタン(アメリカ)を相手に、こちらも1ラウンドからほぼノーガードで殴り合う展開に。両者ともにひざをガクッと落とす場面がしばしば見られ、KO必至の予感。

 近年のUFCにおいて、しょっぱなからこれほどアグレッシブに戦う試合があっただろうか。選手層が厚く、実力拮抗ゆえに戦術と勝ちパターンが定型化されつつある昨今のUFCにおいて、ここまで強引で無軌道、緊張感あふれた試合は滅多にない。

 だが、この『果たし合い』のような息詰まる試合が、日本人は大好きだ。

 大会前、シウバは次のように語っていた。

「日本の格闘技を、もう一度盛り上げたい」

 見ている者の心に火をつけるような、この戦いぶり。格闘技熱の再燃を願い、シウバはファイトでメッセージを伝えようとした。それはハントも同じだろう。

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