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【男子バレー】西田有志が日本代表に帰ってきた 新たな境地で迎えるネーションズリーグ (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

【チャンピオンシップファイナルで結実】

 なかなかのへそ曲がりだが、だからこそたどり着ける技の数々がある。2025-26シーズンに西田が成功を収められたのは、その人生の結実のひとつだ。

「1年前からピーキングを持ってきて、結果として勝つことができました」

 西田はそう振り返っていたが、レギュラーシーズンはむしろ仮説・検証に使っていたようにも見えた。全力ではやっていたが、何か大きなものを得る壮大な実験のようでもあった。事実、総得点は昨シーズンよりも下がっているし、アタック成功率やサーブ効果率は横ばいだった。チャンピオンシップでも、セミファイナル、そしてファイナルも1日目が終わった時点では"鳴りを潜めていた"。

「思うように決まらず、考えるところも多く、その意味でタフな試合だったと思います」

 セットカウント1―3で敗れたファイナル1日目が終わったあと、西田は淡々と語っていた。

「入り方が堅かったですね。いつも通りできたらいいですが、こうした試合はいつもメンタルが難しい。もう少しリバウンド取りたかったし、"ファイナルを勝ちたい"という気持ちが先行するとズレが出る。今日はそういう状況でした。考えすぎて1セット目から後手に回り、悪い状況で無理に打ちにいって、そのたびに集中が切れていました。ただ、諦める理由はひとつもない。立て直し、明日も明後日も難しい試合をどう戦うか」

 ファイナルの2日目に向け、彼はバレーと正面から対峙していた。何より3日目を意識していたのは印象的だった。実際、2日目はエース3本などサーブでチームをけん引し、3日目に持ち込んだ。

「(1日目を落として)吹っ切れたというより、やるべきことがシンプルになっただけ」

 西田は、歓喜の逆転勝利にも冷淡だった。とことん仮説・検証を重ねてきた彼にとって、それは驚喜するような結果ではなく、必然だったのだろう。そして、もっと質を上げられると信じていた。

 迎えた3日目は、まさに破竹の勢いだった。本人は「数字では解釈していない」と言うが、アタック成功率は70.6%を誇り、サーブはエースが3本で効果率は両チーム最多の33.3%。ブレイクに成功して圧倒的に勝利に貢献し、まるで目を覚ました竜が上空で火を吹いて地上を焼き尽くすような迫力だった。

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