【男子バレー】髙橋藍がキャプテンとして見通すSVリーグ連覇への王道 「去年以上の力が必要に」 (3ページ目)
3セット目、サントリーは完全に流れを失っていた。髙橋も一度ベンチに下がるほどだった。彼曰く、「昨日もフル出場していましたし、オリビエ(・キャットHC)も"一度外に出て頭をクリアに"という意図があったのかもしれません」という状況だった。
しかし、苦境の4セット目がハイライトになっている。
髙橋には、ヒリヒリとした感覚を楽しめるところがある。西田有志のブロックアウトを狙ったスパイクでセットポイントを取られ、一度は追い込まれた。ミスは許されなかったが、関田のトスをブロックアウトで得点し、24-24のデュースに持ち込む。そして25-25からプッシュでマッチポイント。最後は髙橋のサーブで崩した後、ムセルスキーがシャットした。
――4セット目、勝負にゾクゾクする表情をしていましたね?
取材エリアでそう声をかけると、髙橋は明るい声で答えた。
「いい緊張感を持ってやれていますね。ああいう場面こそ、自分は"勝負の世界"だと思っているんで。あそこで勝っていけるか。自分にとってもいい経験だったし、チームとしても勝つことは大事でした」
開幕連戦は1勝1敗となった。昨シーズンは2連敗だったことを考えれば、仕上がりは悪くない。
「今のチームはチーム力が上がっていくと、去年以上になるはずです。連覇するには、去年以上の力をつける必要があるでしょう。他のチームのレベルも上がってくると思いますし、そこで準備しないと」
髙橋はそう言って、常勝チームの主将の顔を浮かべた。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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