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【ハイキュー‼×SVリーグ】SAGA久光の平山詩嫣は月島蛍と「少し似たタイプ」100点に繋がる75点がリードブロックに共感

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

『ハイキュー‼』×SVリーグ コラボ連載(42)

SAGA久光スプリングス 平山詩嫣

(連載41:大阪マーヴェラス成瀬ももかは月島蛍の「75点のリード・ブロック」に共感 大事にする「1点の重み」>>)

「センスは磨くもの」

 SAGA久光スプリングス、平山詩嫣(しおん/24歳)の座右の銘だ。バレー経験者で、中学時代の外部指導員でもあった父親から伝えられた言葉だという。

「及川徹さん(『ハイキュー‼』のキャラクター。青葉城西高校バレー部のセッター)も同じことを言っているんですよ!」

 彼女はそう言って、誇らしげに小さく笑う。

「最初は、言葉の意味がよくわからなかったんですが......。例えば、身長が185cmあったら、日本では大きいかもしれないけど、世界では高さだけでは勝負できない。もともと持っているセンスや体の大きさは関係なくて、そこを磨くのが大事ということですね。

 今は男子バレーが人気ですけど、石川祐希選手も髙橋藍選手も世界では決して大きくないのに点をうまく取っている。それは、センスを磨いているからなのかなって。父に『バレーをやめても覚えておくといい』と言われ、大切にしている言葉です」

 彼女は長身で、素質に恵まれていた。しかし、それに甘んじたことはない。センスを磨いて、今の場所にたどり着いた――。

 平山は国内有数のミドルブロッカーだ。名門・東九州龍谷高校時代は、春高バレーで2年連続ファイナリストに。さらに、U-20世界選手権で優勝し、21歳で日本代表にも登録されている。

 バレーを始めるきっかけは、小学2年時にあった。

「母がママさんバレーをやっていて、その子供たちで『バレー同好会を作ろう』となって。姉が当時小学4年、私が2年の時でしたね。上級生が中心だったんですが、私は友達に『詩嫣もやらん?』と誘われました。私はやる気になったんですが、母が『詩嫣がやるなら、お姉ちゃんも』と。一緒に入ったほうが"お得"だって(笑)」

 小学校卒業時点で165cmと身長は高く、スパイクを打てばよく決まった。とにかく元気なチームで、練習試合に呼んでもらうなど、仲のいい友達と同じ時間を共有することが楽しかった。

「スパイクが決まるとうれしいし、頼りにされているのを感じると『これが自分の役割だ』と思うようになりました」

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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