髙橋藍が石川祐希とバチバチ状態に。「僕が最初にサーブで狙い始めて、狙われるようになった」 (2ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text & photo by Nakanishi Mikari

【初めての世界バレーでの収穫と課題】

――髙橋選手にとって初の世界選手権の試合でもあった、初戦のカタール戦は硬さもありましたか?

髙橋 どうなるかなと思っていたんですが、意外と硬さはなかったですね。内容もよくセットカウント3-0で勝つことができました。

――第2試合のブラジル戦は、第1セットは競り合ったものの、以降は一方的な展開で敗戦となりました。

髙橋 1セット目にかなりいい形を作れていたのに、それを取り切れなかったことで流れを持っていかれてしまった。そこは日本が追究していかなければいけないポイントです。強豪国が相手の試合こそ、最後の25点までをしっかり取る必要がありますね。

――予選グループ最終戦の相手だったキューバは、能力が高い選手が多くブラジル相手にフルセットに持ち込むなどチーム力もありましたが、うまく戦えて3-1で勝ちました。

髙橋 キューバの選手たちは身体能力が高く、これまで戦ったことがない未知の相手でもありました。でも、自分たちのいいバレーができて、それが結果にもつながったと思います。

――そして決勝トーナメント1回戦は、東京五輪で金メダルを獲得し、2022年のネーションズリーグも制したフランス。対戦国がわかった時はどう思いましたか? 

髙橋 フランスはどこのチームが相手でもいい戦いができる強いチームなので、「フランスか......」という気持ちにもなりました。でも、決まってしまったことはしょうがないですし、あまり気にしすぎず、しっかりフランス相手にも自分たちのバレーを展開するだけだと思っていました。

――フランス戦の第1セットは大差で取られましたが、そこからシーソーゲームの展開でフルセットでの惜敗。第1セットを取られてから盛り返せた要因は?

髙橋 第1セットは、やはりフランスを意識しすぎていたのか、チーム全体で力が入りすぎていた部分がありました。でも、試合が進む中でコンディションがすごく上がっていった。1セット目の取られ方を気にせず、気持ちを切り替えて2セット目に臨めたことが、競った試合にできた要因だと思います。

――最終第5セットは、一度は日本がマッチポイントを握ったところから逆転負けとなりました。

髙橋 日本としては収穫もあったと思います。フランス相手にあそこまで戦えるというところは証明できた。選手ひとりひとりが能力を上げ、高みを目指さなくてはいけないという思いが強くなりました。

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