髙橋藍が石川祐希とバチバチ状態に。「僕が最初にサーブで狙い始めて、狙われるようになった」 (3ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text & photo by Nakanishi Mikari

【イタリア2年目のスタートは「最高の形」】

――実際に髙橋選手も、大会後には「やっていた直後はすごく悔しくてたまらなかったけど、時間を置くと、ちょっと見方が変わった」ということを話していましたね。

髙橋 そうですね。あと一歩のところで勝てなかった悔しさはもちろんありましたが、また自分を強くさせてくれるモチベーションになりました。日本の選手が、世界から注目されるきっかけにもなったと思います。セリエAでも、相手が「日本の高橋藍だ」と意識することも増えたかもしれない。それはいい刺激になりますし、そういった点でもフランス戦の惜敗は日本にとっていい部分もあったんじゃないかと思います。

――来年はパリ五輪の予選があります。それに向けての意気込みを聞かせてください。

髙橋 来年のことはあまり考えすぎないようにしています。まずはセリエAの2年目のシーズンで結果を出していくことが一番。そうして来年度の日本代表に選ばれなくてはいけません。そのために今はシーズンに集中して、しっかり成長していきたいです。

――その2年目のセリエAですが、ここまでの手応えはいかがですか?

髙橋 どういうプレーができるのかを見せるためにも、開幕戦はすごく大事だったので、2連続MVPで入れたことは大きかったです。昨シーズンよりも成長している姿をずっと見せていかないといけないシーズンですから、いい形でシーズンインできたことは、自信やモチベーションにつながりました。

――それでも、2連続でMVPに選ばれるとは思っていなかったのでは?

髙橋 そうですね(笑)。想像はしていませんでしたが、常に「自分の一番いいプレーを出す」ということにフォーカスしてやってきたので、それが最高の形で表れたのかなと思います。

――今シーズンのホームでのミラノ戦で髙橋選手の名前が呼ばれた際には、ひときわ大きな歓声が上がっていましたね。

髙橋 地元のファンから大きな歓声をもらえることは本当にうれしいです。応援はすごく力になりますし、期待される分、「それに応えなくてはいけない」といういいプレッシャーにもなる。それがモチベーションになり、成長につながっていると思います。

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