髙橋藍が石川祐希とバチバチ状態に。「僕が最初にサーブで狙い始めて、狙われるようになった」

  • 中西美雁●取材・文 text & photo by Nakanishi Mikari

【石川との対決で意識したこと】

――応援の仕方も、「タカタカタカ」といった髙橋選手個人を応援するチャントがありますね。

髙橋 それもうれしいです。他にも、「ガンバレ、ガンバレ」「アリガト、アリガト」と日本語で声をかけてくれることもありますね。ファンの方たちに愛してもらえているんだな、と感じます。

――そのミラノ戦で、石川選手との2度目の日本人対決が実現しました。昨シーズンの対戦とどう違いましたか?

髙橋 昨シーズン、僕はリベロでの出場だったので、本来のアウトサイドヒッターで出場できた今年は「本当の対決ができる」と気持ちが昂りました。うれしさもありましたし、「石川選手に負けたくない」と思えたのも昨年との大きな違いですね。

 石川選手とネットを挟んでプレーすることは、自分にとってすごくいい刺激になります。石川選手の堂々とした余裕があるプレーは、相手チームから見ても勉強になるところが多い。結果はこちらが負けてしまいましたが、日本人対決ができることは成長のための糧になります。

――第1セットは競り合う展開になりましたが、試合の途中からお互いにサーブで狙っていませんでしたか?

髙橋 そうですね(笑)。たぶん僕が最初に狙い始めて、石川選手も狙ってくるようになった感じだと思います。そこはバチバチしましたね(笑)。

――石川選手が相手チームにいることで、やりづらさなどはなかったんですか?
 
髙橋 日本代表で一緒にプレーをしている時とは違うんですが......言葉では表しきれない不思議な感じでした。「相手に石川選手がいる」と思うことが、すでに意識をしているということですし、プレーにも少し影響がありましたね。スパイクを打つ時も、石川選手のほうには打たないこともあったり。同じ日本人選手、しかも自分が尊敬する選手がいるということで、意識する部分は多かったなと思います。

――やっぱり石川選手は今でも目標?

髙橋 目標......目標というか、選手として尊敬しています。その上で、「石川選手を超えたい」「違う選手になりたい」という思いもあります。石川選手の技術、意識の高さなどはどんどん自分のものにしつつ、僕ならではのプレーを確立していきたい。「髙橋藍」という選手の色を強くしていきたいです。

【プロフィール】
髙橋藍(たかはし・らん)

2001年9月2日、京都府生まれ。兄の髙橋塁(サントリーサンバーズ)の影響で小学校2年生よりバレーボールをはじめる。東山高校3年生時にはエースとして国体、春の高校バレーで優勝し、2020に日本代表初選出。2021年の東京五輪では全試合にスタメン出場し、男子バレー29年ぶりの決勝トーナメント進出に貢献した。現在は、日本体育大学に在学しながら、イタリア・セリエAのパッラヴォーロ・パドヴァで活躍中。

【著者プロフィール】
中西美雁(なかにし・みかり)

名古屋大学大学院法学研究科修了後、フリーの編集ライターに。1997年よりバレーボールの取材活動を開始し、専門誌やスポーツ誌に寄稿。現在はweb Sportiva、バレーボールマガジンなどで執筆活動を行なっている。『バレーボールスピリット』(そしえて)、『バレーボールダイジェスト』(日本スポーツ企画出版)、『球萌え。』(マガジンハウス)、『全日本女子バレーコンプリートガイド』(JTBパブリッシング)などを企画編集。スポルティーバで西田有志の連載を担当

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