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木村沙織が明かすロンドン五輪中国戦の不調。「キャリアで初めて」のプレーを続けていた (3ページ目)

  • Text by Sportiva

――フルセットになった中国戦では、木村さんは江畑幸子さんと並んでチーム最多の33得点を挙げました。神頼みのとおり、調子が上がったんですか?

「そんなにうまくプレーができた印象はありません。それまでの試合でもそうだったのですが、特にストレート打ちの調子が悪かったので、どんなトスがきても、ほぼクロスに打ちました。通常の試合だったら攻撃の幅を広げるために、試合の中で『次はこっちに打って、相手のブロッカーがこっちに動いてきたらこう打って』といったストーリーというか、組み立てを自分でイメージするものなんですが......自分のキャリアで初めてと言っていいくらい、ずっとクロスに決め打ちをしていました」

――それだけクロスに打っていたら、それをマークされてしまうのでは、と思うのですが。

「なぜか最後まで、中国の選手はクロスを絞めてこなかったんですよね。そういうデータがあったのかもしれません。ただ、ちょっとストレートを空けられて、ブロックがいい中国の選手がクロスを止めにきても、私はストレートには打たなかったと思います。『ストレートに切り替えてミスをするくらいなら、クロスに思い切り打ってブロックされたほうがマシ』と思っていましたから。だから、途中からクロスをマークされたら、もっと難しい試合になったかもしれません」

――準決勝ではブラジルに敗れるものの、3位決定戦の韓国戦に勝って銅メダル。28年ぶりのメダル獲得で、チームの目標を達成しましたね。

「その韓国戦は負ける気がしなかったです。みんながいつもどおりに、力まずにプレーすれば勝てるだろうという確信がありました。実際に試合でも、チームがすごくリラックスしていた感じがあります。私も『みんながいれば絶対勝てる』という安心感がありました」

――確かに、中国戦では木村さんと江畑さんが活躍したのに対し、韓国戦は迫田さおりさんと新鍋理沙さんの奮闘が目立っていた印象があります。

「そうですね。どんな戦術でも、誰にトスが集まっても勝つだろうと思っていました。そのくらい、チーム全体が充実していたということだと思います」

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