20歳の石川祐希に背負わせすぎ。3連敗で五輪出場は黄信号に (2ページ目)

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu  中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 時代やシステムは変われど、日本バレーの基本は変わらない。高さの差をカバーするのは、サーブとサーブレシーブ、「つなぎ」である。が、こちらのサーブは相手レシーブに拾われて強打を食らい、逆に勝負どころではサーブレシーブを崩されてブロックに止められてしまった。

 特に石川の後衛のとき、パイプ(中央からのバックアタック)を封じたいこともあってだろう、石川のサーブレシーブを徹底して狙われた。ターニングポイントは、セットタイとしたあとの第3セットの中盤だった。10-8としながら、サーブレシーブを乱されて、ネットタッチ、スパイクミスなどで10-11と逆転を許し、さらに米山裕太のスパイクが連続でブロックに止められてしまった。連続5失点。10-13とされ、流れが変わった。

 31歳の米山の述懐。

「ぼくたちも石川選手をボールがなるべく(サーブの)飛んでこない場所に外すじゃないですけど、正面に来たときだけ、彼(石川)が取るという作戦を敷いていたんですけど、そこに相手がしっかりサーブを打ってきて、相手が一枚上手だったなと思います。相手にうまくやられてしまったなという感じです」

 それでも、石川は頑張っていた。二十歳は「どのチームも(自分を)狙ってくる」と淡々と振り返る。

 「ちゃんと(レシーブが)返っているところもあれば、返らないところもある。もっと安定させたい」

 いずれにしろ、20歳のエースに多くを背負わせるのは酷である。ミドルブロッカー陣がほとんど機能しないなかで、石川はスパイクで18得点と気を吐いた。持ち前のガッツポーズとスマイルでチームを盛り上げた。

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