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早くも崖っぷち。エース石川祐希は「自分らしさ」を取り戻せるか

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 伊藤真吾/アフロスポーツ●写真 photo by Ito Shingo

 二十歳(はたち)の石川祐希にとっては、これも試練である。最後は中央からのバックアタックを、中国の2mのブロックにシャットアウトされた。

 崩れ落ちた191cmの石川は顔をゆがめ、右こぶしでコートをたたく素振りをした。試合終了。手痛い、アジアのライバルからのストレート負けである。

 記者と交わるミックスゾーン。聞かなくてもわかっている。悔しいに決まっている。でも、聞いた。最後の瞬間の気持ちは?

 いつも通りの落ち着いた口調で石川は漏らした。ただ、手元の丸めたバスタオルを何度もぎゅぎゅっと握りしめていた。

「それは負けたという気持ちでした。最後にシャット(相手ブロック)を食らったので、そこが一番悔いが残るというか。最後まで決めるという風にしていかないといけないなと思います」

 リオデジャネイロ五輪の出場権を争うバレーボール男子の世界最終予選(東京体育館)。日本は中国に0-3のストレート負けを喫し、1勝1敗となった。今後の対戦相手を考えると、早くも"崖っぷち"である。
中国にストレート負けを喫して、引き揚げる石川祐希中国にストレート負けを喫して、引き揚げる石川祐希

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