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【女子バレー】セッター宮下、リベロ佐藤。2人がメダル獲りの軸になる (4ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 しかし、年度途中で佐野は全日本を辞退。世界選手権にはまた佐藤を招集し、もうひとりのリベロ、筒井さやかと交代させながら使った。2015年度、佐藤は全日本の招集を断った。現役生活を終えようと決心していたからである。所属する日立リヴァーレの松田明彦監督に説得されて現役は続けることにした佐藤は、故郷・宮城で開催されたワールドカップの試合をテレビで見て、「あの場に自分がいたら」と後悔した。

 今大会、眞鍋監督はリベロについても明確な方針を立てていた。佐藤に大会前に「お前に託すからな」と声をかけていた。昨秋のワールドカップでは、レセプション(サーブレシーブ)専門リベロとディグ(スパイクレシーブ)専門リベロを1試合の中でも併用していたが、今大会は佐藤に統一した。

 これはワールドカップ中にFIVB(国際バレーボール連盟)から発表された「FIVBはベンチ入りメンバーを14名での運用を進めていきたいが、リオ五輪は従来通り12名となるだろう。IOCの選手数をできるだけ増やさないというポリシーに従わなければならないからだ」という談話があり、それを受けて、オリンピックではリベロをひとりに絞らねばならないことに対応するためとみられる。

 今大会序盤の格下相手だったペルー戦とカザフスタン戦では、佐藤は安定した力を発揮した。懸念されたのは手首を故障していて、得意とするオーバーハンドでのセットアップができないことくらいだった。

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