【女子バレー】セッター宮下、リベロ佐藤。2人がメダル獲りの軸になる (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 宮下はハンドリングに秀でた選手というわけではない。また、トス回しも競ってくるとサイドに偏る傾向にある。全日本についてもあまり欲がなく、所属する岡山シーガルズへの思いが勝ると発言していたこともあった。そのあたりが現役時、ハンドリングに優れたセッターで、常に調子のよい選手をチェックしての配球にこだわった名手・眞鍋監督には物足りなかったのだろう。

 だが、今大会は宮下をメインで起用。1-3と敗れた韓国戦、3-2と薄氷を踏んだタイ戦、切符のかかったイタリア戦でも宮下がトスを上げ続けた。眞鍋監督に「大会前に宮下にどんな言葉をかけましたか?」とたずねても「いっぱいありすぎて、ひと言じゃ言えませんよ(笑)」とかわされてしまったが、「サーブ、レシーブ、ブロックを含めて、今、日本で一番のセッターであることは間違いありません」とは答えてくれた。

 過去、ある男子実業団チームの監督に、なぜハンドリングに優れた低身長のセッターではなく、高身長のセッターを使い続けるのかをたずねたことがある。彼は「ハンドリングのよさももちろん大切なことですが、セッターも6人のプレイヤーのひとり。ブロック力、サーブ力、レシーブ力、そして、もちろんハンドリングなどセッター固有の資質。それらを総合して判断しているのです」と語り、その高身長セッターで見事リーグ優勝を果たしたのであった。

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