加藤未唯が「してはいけないことをしてしまった」と語る全仏のあの出来事 涙で言葉に詰まり...「もうテニスを辞めるしかないのかな」 (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • 説田浩之●撮影 photo by Setsuda Hiroyuki, Kyodo News

── スポーツウーマンシップということで言うと、3年前、京都市に111万1,111円を寄付したとうかがいました。子どもたちにいい姿を見せられたというれしさもありますか?

「そうですね。単純にお金を寄付するだけだと、本当の目的が伝わりにくいところもあったと思います。なので、結果でいい報告ができたことで少し安心できたというか、寄付してよかったなという思いは、より強くなりました。

 金額に込めたのも、『全員が1位を目指してほしい』という思いだったので、まずは自分が1位にならなくてはと思っていました。優勝という形でそれを示すことができたのは、よかったなと思えるところです」

── その混合ダブルス優勝は、加藤さんが「一番好きな大会」といつも言っていた全仏オープンで手にしました。全仏オープンには、何か特別な思いがあるのでしょうか?

「ジュニアの時、グランドスラム(全豪、全仏、ウィンブルドン、全米)のジュニア部門にすべて出たのですが、シングルスの本戦で唯一勝ったのが、フレンチオープンだったんです。

 大人になってから、ダブルスの本戦に初めて出たのもフレンチだし(2016年)、シングルスで予選を突破して本戦に出たのもフレンチ(2017年)でした。何かしら『初』の結果には、フレンチが関わっているんです。

 それに、パリの町も好きですね。町並みも建物もきれいだし、歴史も感じられる。路地裏に入ってもおしゃれなカフェがあったりと、雰囲気がありますよね」

── 今年はその全仏オープンに、かなりの意気込みで挑んでいたように見えました。いい準備ができたという手応えがあったのでしょうか?

「そうですね、去年の終盤から今年にかけて、いい感触があったと思います。今シーズン開幕戦のオークランド(ASBクラシック/WTA250)で優勝できたし、3月のインディアンウェルズ(BNPパリバ・オープン/WTA1000)ではベスト4。結果を残してクレーシーズンに入ったので、そこはすごくいい流れがありました。

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