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ウインブルドンを騒がす様々な問題 握手拒否でブーイング、ラケット落として罰金、トップ選手との格差拡大... (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

【16歳の新星に罰金110万円】

 今回のウインブルドンでも、スビトリーナ対ビクトリア・アザレンカの試合後に、アザレンカがブーイングを浴びる場面があった。スビトリーナが握手しないことを知るアザレンカは、主審と握手し、スビトリーナには軽く手を振る。だが一部の観客は、これをアザレンカの握手拒否と取ったのだ。

「私にどうしろと言うの? ネットに行って、彼女が来るのを待てばよかったの?」

 会見でアザレンカは、不満を露わにする。

 一方でスビトリーナも、「まだ状況を知らない人たちが多いようだ。運営組織はウクライナ選手がロシアとベラルーシの選手とは握手しないことをアナウンスしたほうがいい」と進言した。

 はたして翌日、WTAはソーシャルメディア等を通じ、「選手たちの意志を尊重してほしい」との声明を発表。幸か不幸か、その後に両国間の選手の対戦はなかったため、声明文の効果のほどは不明である。

 握手と言えば、主審との握手を拒否した選手もいた。それは16歳のミラ・アンドレーワ。予選から本戦ベスト8まで勝ち上がり、今大会序盤の話題をさらったロシア期待の新星である。

 その才媛、準々決勝で第2セットを落とした時、ラケットを投げて『警告』を受けた。そして第3セット終盤、再びラケットを投げたとしてポイントペナルティを受ける。これが相手選手のマッチポイントとなった。

 この判定にアンドレーワは猛抗議。「ラケットを叩きつけたのではない。滑って転びそうになり、ラケットを落としてしまったのだ」というのが、彼女の主張だ。

 ただ、もちろん判定が変わることはなく、試合にもそのまま敗退。アンドレーワは一連の『スポーツマンシップにもとる行為』のため、計8000ドル(約110万円)の罰金も課された。

 実際のところ、アンドレーワはラケットを「投げた」のか「落とした」のか? ビデオ判定が導入されていないテニスでは、その場で確かめて協議することはない。その点は先の全仏オープンでも、加藤未唯の失格判定で物議をかもした。

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