錦織圭が語る新コーチと臨む2020年。30歳、手術後の復帰タイミングは? (3ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 現役時には、身長196cmの大柄で恐れを知らないプレーぶりから、プロテニス選手だったアレックス・レイチェルから"ビースト(野獣)"というニックネームを付けられたこともある。ただ、錦織が昔から知るミルニーの姿は少し異なる。

2019年JTAアワードで、優秀選手賞を受賞した錦織圭2019年JTAアワードで、優秀選手賞を受賞した錦織圭「すごくまじめで、情熱があって、テニスでは前だけ見て戦うようなイメージがある。何にも動じない強さがあるのかなと思います。すごく熱心に練習に取り組みますし、そういうところを見て(自分は)育ってきたので、理想とする先輩という感じ」

 現在ミルニーは、IMGアカデミーで、ジュニア世界1位になった望月慎太郎の練習を見ることもあるという。望月を見ている山中夏雄コーチからもミルニーの情報を収集して、錦織はミルニーに自分のツアーコーチになってほしいと打診したところ、好感触が得られた。

「結構スムーズに受け入れてくれました。すごく話を聞いてくれて、選手に合わせられる人なのかなと感じています。自分の考えを押しつけるのではなくて、コミュニケーションはうまいかな。一緒に考えてくれる」

 現役時代には、長身から繰り出されるビッグサーブでネットにつく攻撃的なプレースタイルで、サーブ&ボレーを得意としていたミルニーだったが、錦織は彼のような攻撃的なテニスを身につけたいと考えている。

「プレースタイルについて、ちょっとだけ自分に似ているというか、自分も彼みたいなプレーをしたいというのもあった。いろんなところが重なって、彼にお願いしました」

 もちろん錦織はビッグサーバーではないから、おそらくネットプレーをもっとミックスしていきたいという狙いがあり、メンタル面も含めた攻撃的なテニスの習得を目指すということだろう。

 錦織がリハビリ中のため、ミルニーコーチとの本格的な練習はまだ始まっていないが、「いろんなことを吸収できたらと思っています」と錦織は貪欲で、新コーチとの取り組みがどんな結果に結びついていくのか楽しみだ。

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