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錦織圭が語る新コーチと臨む2020年。
30歳、手術後の復帰タイミングは? (2ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 錦織のコメントのニュアンスからすると、グランドスラムの初戦・オーストラリアンオープン(1月20日~)のエントリーリストの中には、錦織の名前は入っていたものの、結局、出場は見送ることになった。

「(全豪は)出られたらという感じですね」と話していた錦織が慎重な姿勢を崩さなかったのは、彼にとって右ひじの手術は2009年以来2回目であり、復帰までの過程で苦労した経験があるからだ。前回は20歳でのリスタートだったが、今回はそれから10年が経過した手術からの再起であり、若い頃の回復スピードとは異なることも懸念される。

 懸命にリハビリに励む錦織は、復帰への道を模索する中、ツアーコーチを、2011年より帯同していたダンテ・ボッティーニからマックス・ミルニーへ変更することを決断した。

「新しい声を入れてもいいんじゃないか」と思い始めた錦織は、2019年夏頃に新しいコーチとしてミルニーに白羽の矢を立てた。

 もともとミルニーは、IMGアカデミーを拠点にしていた元選手で、いわば錦織の先輩。13歳の錦織が渡米した2003年には、すでにミルニーはツアーで活躍していたトッププロで、ジュニア時代に一緒に練習をしたこともあったという。

 1996年にプロへ転向したベラルーシ出身のミルニーは、2002年USオープンでベスト8に進出し、2003年8月にはシングルスで自己最高のATPランキング18位を記録した。単複で活躍する選手だったが、2009年からはダブルススペシャリストに移行して活躍し、息の長い選手となった。

 ダブルスでは、USオープンで2回、ローランギャロスで4回、さらにミックスダブルスで4回、合計10回グランドスラムで優勝を果たした。ツアー最終戦では2回優勝して、ATPダブルスランキング1位にもなった。さらに、2012年ロンドンオリンピックでは、ミックスダブルスで金メダルを獲得。ツアー優勝は、シングルスで1回、ダブルスで52回だったが、2018年に41歳で22年間の現役生活を終えた。

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