錦織圭が語る新コーチと臨む2020年。30歳、手術後の復帰タイミングは? (4ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 2019年12月29日で30歳になった錦織圭は、2020年シーズンにどのようなスタートを切ることができるだろうか。最近は年齢に関する質問も多いが、錦織本人は、大きな変化として捉えていない。

「あんまり変わらないですね。体の衰えとかテニスとか、(変化は)体感としてあまり感じていない」

 2020年は、東京オリンピックがあるため、そこに注目が集まってしまうが、まずはいつ復帰できるかである。手術した部位が、テニスでは必ず使う右ひじであることを踏まえると復帰は慎重に行なうべきだろう。だからこそ長い目で、2020年シーズンの後半、8月の東京オリンピックやUSオープンあたりで、錦織がベストコンディションに戻れれば上出来ぐらいのイメージでいいのではないか。

「また強くなって戻って来られたらいい。ケガからしっかり復帰して、決して焦らず、夏頃には体もいい状態で、自信もしっかりつけて臨めるようにしたいです」

 現在は、トレーニングや体のケアが進化して、30代でも世界のトップレベルで活躍できる時代になっている。錦織も「オリンピックというより、長くやるため」というビジョンを持って、今後もケガをしにくい体づくりに取り組んでいきたいと考えている。

 手術後の錦織の表情は明るく、双眸の輝きも失っておらず、未来をしっかり見据えているようだ。そして、ジュニア時代から夢として掲げ、さらにプロテニスプレーヤーになった時からの大いなる目標である、グランドスラムの頂を再び目指す。もちろん30歳でのグランドスラム初優勝は簡単なことではないが、錦織は決してあきらめたりはしない。

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