錦織圭が語る新コーチと臨む2020年。
30歳、手術後の復帰タイミングは?

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

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テニス 錦織圭 編

2019年に右ひじの手術を行なった錦織圭は、力強いプレーを取り戻せるか2019年に右ひじの手術を行なった錦織圭は、力強いプレーを取り戻せるか 錦織圭は、「いろいろありましたね」というひと言から2019年シーズンを振り返り始めた。

「出だしはすごくよかった。オーストラリアでベスト8、ほか(のグランドスラム)もベスト8に入ったりして安定した1年ではありました」

 シーズン開幕の1月に、錦織は、ATPブリスベン大会で優勝してキャリア通算12勝目を挙げると幸先のいいスターを切った。グランドスラムでは、オーストラリアンオープン、ローランギャロス(全仏)、ウインブルドンでベスト8に進出して、トップ10プレーヤーとして安定した好成績を収めた。

「最後はちょっとケガだったので、悔しいというか、残念な1年でした」

 シーズン後半にかけて錦織は、右ひじの断続的な痛みに悩まされ、テーピングをしてプレーをすることも多く、グランドスラムでは何とか結果を残した一方で、心の中では、対戦相手とは別の敵とも戦っていたことを吐露する。

「ウインブルドンの時はよかったはよかったけれど、やっぱりどこかに(右ひじの痛みが)頭にあるので、今考えると、イラつきは早かったですね。なんか集中できないというか、(自分の右)腕とも戦わないといけないので」

 USオープン以降、9月から戦線を離脱した錦織は、トップ10から陥落して2019年シーズンを13位で終えた。そして、10月22日に日本で右ひじの内視鏡手術を受けて2本の骨棘を除去した。手術に至るまでの心境を次のように振り返る。

「(5月下旬の)フレンチ(オープン)から痛みがあって、それをがまんしながらやっていた。(7月上旬の)ウインブルドンのあとに、2~3週間休んで、ちょっとよくはなっていたんですけど、(8月の)シンシナティ(大会)やUSオープンでプレーしてから、また悪化した。そもそもの(痛みの)もとを治さないといけないなと、そこらへんから感じ始めていた。それで、USオープンのあとに診てもらった時に、手術しないといけないと言われた。もちろん悩みましたけど、(手術を)やんなきゃいけないだろうなと思えた。ちょっと時間はかかりましたけど、決断までは。でも、決断してから、手術は早かったですね」

 12月初めの時点では、手術の傷口に痛みが残っていたが、錦織はようやくゆっくりラケットを振れるようになったという。普段使っているものより軽いラケットで、スポンジボールを打ってリハビリに努め、12月後半ぐらいから、通常のテニスボールを打てればいいと語った。

 リハビリは順調だとしながらも、復帰のタイミングに関してはまだ明言されていない。

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