2020.01.02

大坂なおみに新コーチ加入で、
データによる強化策と勝つ戦略を得られる

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

東京オリンピックで輝け!
最注目のヒーロー&ヒロイン
テニス 大坂なおみ 編

「シーズン終盤のアジアシーズンで、私は必ず優勝してみせる。全米オープンでは望むような結果が出せずにごめんなさい。残りのシーズン、すべての力を出し切って、みんながいい気分で家に帰れるようにするから」

 年内最後のグランドスラムである全米オープンを終え、日本に向かう今年9月――。彼女は、パフォーマンスコーチやトレーナーら"チームなおみ"の面々を前にして、そう宣言したという。

大坂なおみは2020年、新コーチとともに頂点奪還を目指す 苦しみのシーズン中盤戦を経て、前年優勝者として臨んだ全米オープンも、結果的には4回戦で敗れる。それでも、前年に涙の戴冠を果たした思い出の地を去る時、彼女は復調への手応えと覚悟を胸に宿していた。

 果たしてそこからの大坂なおみは、東レ・パンパシフィックオープン、続くチャイナオープンも制し、年間上位8選手が集うWTAファイナルズでも、初戦で勝利を掴み取る。最後は腹筋の痛みのために大会を途中棄権するが、コートに敗戦を刻むことなく、激動の2019年シーズンを終えた。

 その決意のシーズン終盤に向かう時、彼女のかたわらに『コーチ』として立っていたのは、父親だった。

「彼は私のテニスの原点。それほど多くを語る人ではないが、だからこそ、自分で考えて答えを見つけなくてはいけない」

 そう定義する父親とともに、彼女は自身のキャリア始まりの地である生まれ故郷の大阪で、悲願のタイトルを掴み取る。同時にその頃にはすでに、次期コーチ候補に白羽の矢を立てていた。

「誰もが納得する、一流のコーチ」

 大坂陣営からそのような評価を受けていた人物とは、数々のトップ選手のコーチを歴任し、多くの選手にビッグタイトルをもたらしてきた、ウィム・フィセッテだった。

 今の大坂が何を求めているかは、この新コーチの人選そのものが明示していると言えるかもしれない。

 約10年のコーチキャリアで、就いた選手を合計6度グランドスラム決勝に導いた彼は、データ分析に長けた戦略家として知られている。異なるタイプの選手相手に、就任早々に結果を出しているのも、即効性の高い戦略や助言を与えられるところによるだろう。