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神様がくれた全仏でのギフト。
フェデラーとナダル、認め合う最高の関係 (3ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

「高いゲームレベルを維持することが自分の目標です。ほんの少しでも進化できれば。健康であることにも重きを置いています。メンタルもフィジカルもフレッシュであれば、いい状態で競うことができます」

 フェデラーとの対戦が決まったナダルは、「私たちはキャリアの中で重要な局面を共有してきた。特別な瞬間になるだろう」と試合を心待ちにしていた。

 準決勝は、強風が吹き荒れ、ときにはコート上のレンガの粉を吹き上げて砂嵐が巻き起こる難しいコンディションの中での試合となり、両者共に何とか適応しながらプレーしていった。

 フェデラーは攻撃的なプレーで果敢にネットへ出るものの、ナダルがダウンザラインへのカウンター気味のパッシングショットを何度か決めて、雄叫びをあげながら右拳を高く突き上げた。さらに、ナダルは自分のミスをできるだけしないように、重要な場面ではフェデラーのバックサイドに強力なトップスピンのかかったボールを集めてミスを誘った。

 結局、「自分のゲームプランに自信を持っている」と言うナダルが、クレーではフェデラーのプレーを凌駕して、大会史上最多となる12回目の優勝まであと1勝とした。

「再びローランギャロスの決勝に戻れた意味はすごく大きい。容易ではなかったし、(右ひざの)ケガからのカムバックだったから。この2~3週間高いテニスレベルに戻れたことを誇りに思う」

 ラファがこの勝利を喜ぶ一方で、フェデラーも長年のライバルを最大限に称えた。

「ラファは、クレーでのベストプレーヤーだ。その事実を受け入れることができる。クレーでは信じられないような能力がある」

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