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錦織圭の次代を担うのは西岡良仁だ。
再びツアーへ完全復活をアピール (2ページ目)

  • 神仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 診断結果は、左ひざの前十字靭帯の単独断裂。西岡にとっては、上り調子の時に襲われたタイミングの悪すぎるケガだった。

 マイアミ大会直前のマスターズ1000・インディアンウェルズ大会で、西岡は快進撃を見せていた。厳しい予選を勝ち上がり、本戦3回戦ではトマーシュ・ベルディヒ(当時14位、チェコ)を破って、初のベスト16進出。次の4回戦では、スタン・ワウリンカ(当時3位、スイス)をあと一歩のところまで追い詰めながら、ファイナルセットのタイブレークの末惜敗した。

 グランドスラムに次ぐグレードのマスターズ1000大会で初のベスト16、ATPランキングも2017年3月20日付けで自己最高の58位を記録して、今でも西岡にとっては、この時のテニスが自分の中の一番いいイメージになっている。そんな時に起こったケガだった。

「ケガをしてそんなに落ち込むことはなかった」という西岡は、歩くことはできたが、再びプロテニスの試合ができる左ひざに戻すために、2017年4月4日に手術を行なった。術後は、JISS(国立スポーツ科学センター)で1日6時間におよぶ下半身のリハビリをした。

「本当にリハビリはつらかった。最初は歩く練習から始まって、力の入れ方を覚え、ジャンプしたり、少しずつ走ったりした。本当に少しずつ戻していくという状況でした」

 リハビリと並行して、上半身のフィジカルトレーニングも行なったという。

 リハビリが中盤に入り、少し動けるようになった時、他の選手が普通に練習しているのを見て、自分が思うように動けないことにショックを受けた。さらに、杉田祐一、添田豪やダニエル太郎ら日本男子選手の活躍を見ると、落ち着いていられなかった。

「もどかしい気持ちが、めっちゃ出てきた。悔しい気持ちになるから、テニスを見るのをやめるようにして、あんまり考えないようにした。とりあえず、ケガを治すことだけを意識するようにした」

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