2018.02.02

デ杯、東京五輪。テニス日本代表の
カギはこの「ダブルス戦士」が握る

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「少しがっかりしている。でも、この大会でセミファイナルに行けてうれしい」

 2018年全豪オープンテニス男子ダブルスで、マクラクラン勉(ベン)は、グランドスラムデビューだったにもかかわらず、1968年のオープン化(プロ解禁)以降、日本男子では初となるベスト4進出を果たした。

 準決勝では、マクラクラン勉/ヤン レナード・ストルフ組が、最終的に優勝した第7シードのオリバー・マラッチ/マテ・パビッチ組に6-4、5-7、(4)6-7という接戦の末に敗れて、全豪で初のグランドスラム決勝進出まであと一歩届かなった。

全豪オープン男子ダブルスでベスト4のマクラクラン勉(右)とトーマス嶋田コーチ
「決勝に行けるチャンスはいっぱいあったと思うから……。毎日練習してうまくなって。ずっと向上していけるメンタルがあったら、これから先もいっぱいチャンスがある」

 悔しさから声のトーンが落ちて、ひと言ひと言絞り出すようにして全豪を振り返ったマクラクランだったが、そんな彼を大会中コートサイドからずっと見守る男がいた。男子国別対抗戦デビスカップ日本代表のトーマス嶋田コーチだ。

「すごく高いレベルの試合ができた。ベンたちにも十分チャンスがありましたね。もちろん悔しいだろうけど、本当に素晴らしい2週間だった」

 全豪での快進撃によって、今後マクラクランと嶋田コーチとの間には、グランドスラムの初優勝を目指すという具体的な目標と共通認識が芽生えてきている。

「これからが大変。今まではベンを知らなかったトップ選手も、試合をしっかり見るだろうから、今後もレベルアップしないと、ランキングや結果をキープできないと思う」

 さらにマクラクランはダブルススペシャリストの道を選んだことが、全豪ベスト4という結果を出したことによって、間違いではなかったことを改めて確信した。