2018.01.30

36歳でも強くなるフェデラー。
ケガ続出のライバル勢に止められるのか

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「とても特別な瞬間だった」

 約1万5000人の観客からのスタンディングオベーションによって、鳴動するロッド・レーバーアリーナ。その中心にいたのはロジャー・フェデラー。彼は湧き上がる感情を抑えきれず涙し、眼は真っ赤になっていた。万雷の拍手はさらに大きくなり、数分間鳴りやまなかった――。

チリッチをフルセットで下し、全豪オープン連覇を果たしたロジャー・フェデラー
 全豪オープンの男子シングルス決勝は、第2シードのロジャー・フェデラー(2位、大会時、以下同、スイス)が、第6シードのマリン・チリッチ(6位、クロアチア)を、6-2、(5)6-7、6-3、3-6、6-1で破って、2年連続6回目の優勝を果たした。36歳173日での優勝は、オープン化(プロ解禁)以降、全豪で3番目の年長優勝記録となった。

 男子決勝の当日は暑さ指数(WBGT)が32.7に達したため、全豪独自の酷暑ルールであるヒートポリシーが適用されて、センターコートであるロッド・レーバーアリーナの屋根は閉じられて試合が行なわれた。
※気温、湿度、放射熱の3つの要素を取り入れた指標で、熱中症を予防するために作られた

 屋外の最高気温は39度だったが、屋根が閉められたセンターコートは20度台に保たれ、コートコンディションの変化への対応が遅れたチリッチは、フェデラーの速攻に対し、後手に回った。「試合を通して、メンタルを維持するのが明らかに困難だった」と語ったチリッチは、最近強くなったメンタルを前面に出してファイナルセットまで持ち込んだものの、3時間3分の激戦を制したのはフェデラーだった。