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「フェデラー王」のご帰還だ。
今季19勝1敗、35歳の情熱は枯れない (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

「彼のサーブから最初のショットにつなげる展開は、ツアーのなかでもダントツにすばらしい。僕は『ビッグ4』全員と戦ったし、他のほとんどのトッププレーヤーとも戦ってきた。それでも、彼の速攻に対応するのは本当に難しい。リターンしたと思った次の瞬間には、ウイナーを奪われる。自分のリズムが掴めない。彼は最強の選手だ」

 そして、マイアミの決勝で3-6、4-6で敗れたラファエル・ナダル(スペイン)は、終始険しい表情を崩さずに言った。

「彼のようなすばらしい選手が自信を持ち、高いレベルのパフォーマンスをしてきたら、勝つのは難しい。でも......僕は"運"というものをそんなに信じてはいないが、第1セットのいくつかのポイントでは運に恵まれていなかった。今日は『彼の日』だった。それでも今日の試合は、スコアよりもはるかに接戦だった」

 以前からのライバルや盟友に、台頭する若手たち......。彼らはみなフェデラーに敗れ、失意を味わい、そして「史上最強」の高みを知ったうえで、再戦の日の勝利を誓った。頂点を狙うすべての選手たちにとって、フェデラーは今なおテニスという競技の天井を押し上げ、標的であり続ける存在だ。

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