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1億円ボーナスより目の前の試合。
錦織圭は挑戦者を1人ずつ倒す (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 実は、初戦を突破した錦織は、今夏の"USオープンシリーズ"で1位になったため、通常の賞金に加えてボーナスがもらえる。

 USオープンシリーズとは2004年から設けられたもので、夏の北米ハードコートシーズンのワシントンD.C.、カナダ、アトランタ、シンシナティ、ウインストンセーラムまでのATP大会での成績がポイント対象となり、シリーズ上位3名を決めるものだ。

 錦織は、マスターズ1000・トロント大会(7月25~31日)で準優勝、マスターズ1000・シンシナティ大会(8月14~21日)で3回戦進出という成績によって、1位になった。ちなみに、2位はグレゴル・ディミトロフ(24位、ブルガリア)、3位がミロシュ・ラオニッチ(6位、カナダ)だ。

 そして、シリーズ1~3位の選手が全米オープンではボーナスチャレンジ対象者となる。それぞれの順位によって、ボーナスの金額が異なるが、たとえば、1位の錦織は2回戦に進出したことで、約250万円が通常の賞金にプラスされる。今後、錦織が勝ち進むと、3回戦で約400万円、4回戦で約700万円、準々決勝で約1250万円、準決勝で約2500万円、準優勝で約5000万円、もし優勝すると、優勝賞金の約3億5000万円に加えて、約1億円のボーナスを手にできることになる。

 ちなみに、2013年にシリーズ1位になったラファエル・ナダルは、USオープンで優勝して、最高額のボーナス100万ドルを受け取った。

 いい準備はできているという錦織は、ボーナスのことはもちろん、今大会も先のことを考えずに、目の前の試合を戦うことだけに集中しているようだ。これは錦織流のポジティブ思考というか、戦い方といえる。

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