かつての自分のような若手を叩く。錦織圭「トップ10」の流儀

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 US(全米)オープンテニス2回戦で、第6シードの錦織圭(ATPランキング7位、8月29日付け、以下同)は、カレン・ハチャノフ(95位、ロシア)を6-4、4-6、6-4、6-3で破り、順当に3回戦進出を決めた。

躍動感あふれる今大会の錦織圭躍動感あふれる今大会の錦織圭

予選を勝ち抜いて本戦に上がり、USオープンでグランドスラムデビューを飾ったハチャノフとは初対戦だったが、「臆することなく打ってこられるのは簡単ではない」と錦織は警戒した。193cmの長身から繰り出されるハチャノフのサーブは、最高時速212kmを記録し、試合の流れがハチャノフへ傾く場面がしばしば見られた。

 第2セットでは、錦織のファーストサーブの確率が46%まで落ち、スピードの遅いセカンドサーブに対して、ハチャノフがフォアハンドにやや強引に回り込んで攻撃的にリターンした。相手のフォアハンドストロークがいいのは想定していた錦織だったが、バックハンドストロークも予想以上によく、錦織は第2セットを落とした。

 雨による2時間40分の試合中断があった後、「苦しい場面もたくさんあった」と振り返った錦織は作戦を変えて、スピン回転をかけてファーストサーブをなるべく入れて、ストローク戦に持ち込んだ。さらに、錦織がフォアやバックで先にダウンザラインに仕掛けて、ウィナーを奪ったり、ハチャノフのミスを誘ったりした。

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