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全仏オープン新時代へ。絶対王者ナダルが錦織圭に屈する! (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 そのナダルに代わり、今年の全仏の最有力優勝候補と目されているのが、世界1位のジョコビッチだ。今季の戦績は35勝2敗。目下22連勝中で、クレーでは無敗である。

 全仏オープンは、ジョコビッチが唯一まだ手にしていないグランドスラムだ。その最後のピースを手にする最大のチャンスに向けて彼は、「特に何かを変える必要がなく、今の調子を維持すれば勝てるという自信を持って全仏を迎えられるのは、素晴らしい感覚。ギアを上げる必要もないし、落とす必要もない」と落ち着いて構える。今季クレー10連勝の道中では、フェデラーやナダルに加え、ダビド・フェレール(スペイン)や錦織という、全仏タイトルを競うだろうライバルたちも退けてきた。過去最高の手ごたえを手の平に残したまま、王者はローラン・ギャロスの赤土に足を踏み入れる。

 そのジョコビッチは、ローマ大会の準々決勝で錦織をフルセットの末に破っている。

「錦織の能力について、どう思うか?」

 そう問われた世界1位は、「圭はもはや、テニス界の未来を担う存在として、みんなが待ち望んでいる選手ではない。将来を期待される若手でもない。彼はすでに確立されたトップ10プレーヤーであり、グランドスラム準優勝者。常に攻撃的で、特にツアーでも1、2を争うバックハンドの持ち主だ」と、最大級の敬意をもって断言した。

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