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全仏オープン新時代へ。絶対王者ナダルが錦織圭に屈する! (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 過去10年のローラン・ギャロスの歴史とは、そのまま、「ラファエル・ナダル(スペイン)の時代」だと定義することができる。2005年の初参戦・初優勝という衝撃的なデビューを皮切りに、以降は負けなしの4連覇を達成。2009年こそ4回戦で敗れたものの、翌年からは再び連勝街道を爆走して5連覇中だ。過去10大会に出場し、優勝は実に9回。全仏オープンの通算戦績66勝1敗。毎年、大会期間中に誕生日を迎える彼は、まさに「ローラン・ギャロスの申し子」である。

 だが、その「ザ・キング・オブ・クレー」に、今年は異変が表われている。今季、ここまで6つのクレー大会に出場し、得たタイトルはひとつだけ。その優勝も、ツアーの中で最もグレードの低い「ATP250」クラスのブエノスアイレス大会だ。今年のクレーでは、アンディ・マリー(イギリス)やノバク・ジョコビッチ(セルビア)らのトップ選手に加え、30位前後のファビオ・フォニーニ(イタリア)に2度も敗れている。

 また、直近のローマ大会では、スタン・ワウリンカ(スイス)にストレートで敗れた。それも試合終盤に、過去のナダルのプレーを考えれば信じがたいような、フォアのミスショットを繰り返して、だ。単なる結果以上に、多くの人々がナダルの全仏優勝に疑問符を提示する理由が、そこにある。

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