錦織圭とマイケル・チャン、全豪ベスト8の自己評価 (2ページ目)

  • 神仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi photo by Ko Hitoshi

 15年シーズンも、錦織にとって「フィジカル強化」は課題のひとつだ。上位選手として勝ち続ければ試合数が増え、連戦に耐え得る体力が必要になってくる。大会後半に対戦相手のレベルが上がっていくとき、高いパフォーマンスを発揮し続けるための「コンディション調整」も不可欠だ。

「毎回動きが違うし、痛みは出てきます。何カ所か痛みが出てきて、なかなか100%とはいかなかった。グランドスラムの大変さを感じました。

(今大会は)最初は、今までにないぐらい(立ち上がりから)対戦相手に押されたなか、自分が勝っていった3試合でした。フェレールにしっかり勝ち切った試合など、今までにないいろんな経験ができたグランドスラムだったと思う。もちろん、これからトップ10を相手に勝っていかないといけない立場なので、ベスト8は満足できる結果ではないですし、これからグランドスラムでベスト4や決勝に入っていけるようになりたい」

 今回、錦織は上位シードとして初めてグランドスラムを戦ったが、第5シードでベスト8進出は、その責任を果たしたといえる。第4シードのワウリンカに負けたのだから、下を向く結果ではない。今後、こういった大舞台での経験をさらに積み重ねていけるかどうかが重要になる。そして、やがて巡って来るチャンスをものにして、運も味方につけてグランドスラム制覇への道を切り拓いていかなければならない。

 また、マイケル・チャンとダンテ・ボッティーニの両コーチは、近い将来、錦織がグランドスラムで優勝する可能性を次のように語る。

「あり得るでしょう。可能性はあります。ただ、(グランドスラムの)2週間でひとつひとつの試合を、圭自身がどう戦うかです」(チャンコーチ)

「圭はグランドスラムタイトルに近づいていると思う。昨年一度チャンスがあったからね。決勝に進出して、本当にあと少しだった。でも、グランドスラムで優勝することは非常にタフなことなので、日々練習に励むしかない」(ボッティーニコーチ)

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る