ベスト8進出。錦織圭がつかんだ「優勝へのギアチェンジ」

  • 神仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi photo by Ko Hitoshi

1月特集 2015年錦織圭の挑戦!(9)

 錦織圭(ATPランキング5位、大会時)が、2015年オーストラリアンオープン(全豪)4回戦で、第9シードのダビド・フェレール(10位、スペイン)を6-3、6-3、6-3で破り、3年ぶりのベスト8入りを決めた。グランドスラムでは、昨年のUSオープン(全米)から2大会連続の準々決勝進出となった。

2012年以来となる全豪でのベスト8進出を決めた錦織圭2012年以来となる全豪でのベスト8進出を決めた錦織圭 12年の全豪で第24シードだった錦織(当時27位)は、自身初のグランドスラムベスト8進出をメルボルンで果たしているが、今回は上位シードとして堂々の勝ち上がりとなった。
 
 「さすがに前に(ベスト8に)入った時とは、ランキングも実力も違う。当たり前のように感じられているので、成長している証だと思います」(錦織)

 ただ、大会第1週の錦織の状態は、決して完璧ではなかった。

 1回戦でニコラス・アルマグロ(69位、スペイン)にストレート勝ちを収めたものの、第1セットと第2セットでは、先にサービスブレークを許していた。続く2回戦では、イワン・ドディグ(86位、クロアチア)に、ネットプレーを織り交ぜた攻撃的なプレーをされて第1セットを先取された。それでも、そこから第5シードの力を見せつけた錦織が逆転勝ちを収めた。

 3回戦でも、強力なサーブとフォアハンドを武器にしたスティーブ・ジョンソン(38位、アメリカ)に第1セットを取られた。だが、ここでも錦織は逆転で勝利を手にして、4年連続のベスト16入り。グランドスラム第1週目を乗り切った。

「最高とはいえないですけど、しっかり勝ち上がることが一番大事。プレーの内容も大事ですけど、グランドスラムでは勝つことが第一。(内容が)そんなに最高ではないわりに、しっかり勝ってこられているので、いい出来だと思います」(錦織)

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