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ラグビー日本代表・山田章仁のトライには華があった 九州の韋駄天は40歳になっても走り続ける (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【リーグ戦通算100トライも達成】

 そしてワールドカップイヤーの2015年。山田は念願だった海外挑戦を決断し、スーパーラグビーのウェスタン・フォース(オーストラリア)に入団する。残念ながら公式戦には出場できずにシーズンを終えたものの、この悔しい経験を糧(かて)にしてワールドカップに臨んだ。

 自身初となるスコッド入りを果たした2015年のワールドカップ。ジョーンズHCからの「山田は大舞台が得意」という期待を背に、初戦の南アフリカ戦で「ブライトンの奇跡」に貢献し、サモア戦では華麗なトライ。前述のとおり、檜舞台で大きなインパクトを残したというわけだ。

 2016年からは3シーズン、スーパーラグビーのサンウルブズの一員としても活躍。また、7人制日本代表としてリオデジャネイロ五輪も目指したものの、最終メンバーから惜しくも落選してオリンピック出場は叶わなかった。

 記念すべき日本開催の2019年ワールドカップ。34歳を迎えていた山田は代表スコッド入りを果たせなかった。しかしその後も活動は止まることなく、ワイルドナイツからNTTコミュニケーションズシャイニングアークス(現・浦安D-Rocks)に移籍。そのかたわら、フランス(リヨンOU)やアメリカ(シアトル・シーウルブズ)でもプレーするなど、常に世界に挑戦する姿勢を貫いてきた。

 2022年からは地元の九州電力キューデンヴォルテクスに移籍。2024年にはトライゲッターの証(あかし)となる「リーグ戦通算100トライ」も達成した。

 現在40歳となった山田は、ラグビー選手として活動する傍ら、3×3プロバスケットボールチームのオーナーや、バレーボールVリーグ所属「カノアラウレアーズ福岡」のゼネラルディレクターを務めるなど、そのチャレンジ精神は衰え知らず。グラウンドの内外で「韋駄天」ぶりを発揮している。

著者プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

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