ラグビー日本代表・山田章仁のトライには華があった 九州の韋駄天は40歳になっても走り続ける
語り継がれる日本ラグビーの「レガシー」たち
【第36回】山田章仁
(小倉高→慶應義塾大→ホンダ→三洋電機→NTTコミュニケーションズ→
リヨンOU→シアトル・シーウルブズ→九州KV)
ラグビーの魅力に一度でもハマると、もう抜け出せない。憧れたラガーマンのプレーは、ずっと鮮明に覚えている。だから、ファンは皆、語り継ぎたくなる。
連載36回目に紹介するのは、40歳となった今も地元・福岡で現役を続けるWTB山田章仁(やまだ・あきひと/九州電力キューデンヴォルテクス)だ。2000年代から「韋駄天」の名にふさわしい活躍を見せ続けたフィニッシャーである。慶應義塾大、トップリーグ、そして日本代表で常にファンをワクワクさせてきた男だ。
※ポジションの略称=HO(フッカー)、PR(プロップ)、LO(ロック)、FL(フランカー)、No.8(ナンバーエイト)、SH(スクラムハーフ)、SO(スタンドオフ)、CTB(センター)、WTB(ウイング)、FB(フルバック)
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山田章仁/1985年7月26日生まれ、福岡県北九州市出身 photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る 山田と言えばトライ。トライと言えば山田──。
慶應義塾大時代はルーキーイヤーからエースWTBとしてトライを量産。トップリーグではパナソニックワイルドナイツ(現・埼玉パナソニックワイルドナイツ)でシーズン新記録となる20トライを挙げてトライ王を獲得。山田はラグビーの華「トライ」で多くの得点を重ねてきた。
なかでもファンの記憶に最も深く残っているのは、2015年のワールドカップ・イングランド大会、サモア戦での「忍者トライ」だろう。
日本代表として初めてワールドカップに出場した山田は、初戦の南アフリカ戦(34-32)で体を張った低いタックルを見せ、「ブライトンの奇跡」に貢献した。中3日で迎えた2戦目のスコットランド戦(10-45)こそ出場はなかったが、3試合目のサモア戦で再び「14番」を背負うこととなる。
負ければ決勝トーナメント進出の望みが絶たれる大事な一戦。前半ロスタイム、山田はゴール前の右端で、同期でもあるPR畠山健介からパスを受ける。次の瞬間、110kgを超える相手の巨漢WTBのコンタクトに対し、「ロール」というアメフトの回転テクニックを駆使。相手をかわして右隅へ飛び込んだ。このトライで、日本は26-5での快勝に大きく弾みをつけた。
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著者プロフィール
斉藤健仁 (さいとう・けんじ)
スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。
























