ラグビー日本代表・姫野和樹がオールブラックス戦へ向けて語る「初めての超速」 (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【メンタリティが大事。日本は弱い国じゃない】

 歴史的白星を奪うためには何が大事か? 最後に聞いてみた。

「オールブラックスと対戦するからではなく、自分たちのラグビーとタレントはすばらしいものがある。オールブラックスは試合前にハカをしますが、我々も自分たちの自信にフォーカスしてほしい。

 今まで日本代表は、自信を積み上げてきています。今回のエディー体制になってからではなく、2015年、2019年からずっと。日本は弱い国じゃない。強い国だと思うメンタリティがすごく大事です。超速ラグビーを毎試合、120パーセント出すことも重要になってくるでしょう」

 この日の全体練習後も、姫野は代名詞である「ジャッカル」のトレーニングに精を出していた。

「自分の強みは変わらない。ブレイクダウン周りの運動量、タックル、ボールキャリーが強みだと思うので、その能力を100パーセント出しきる。それが自分の仕事です」

 ニュージーランドとの試合を終えたあとには、海を渡ってフランス(11月10日)、ウルグアイ(11月16日)、イングランド(11月25日)とのアウェーゲームが控えている。姫野は持ち前のリーダーシップを発揮しながら、勝利に一歩でも近づく努力を惜しまないだろう。


【profile】
姫野和樹(ひめの・かずき)
1994年7月27日生まれ、愛知県名古屋市出身。高校ラグビーの名門・春日丘時代はロックでープレーし、2年連続で全国大会に出場する。帝京大学での黄金期を主軸として活躍し、2017年にトヨタヴェルブリッツに加入。1年目にキャプテンに抜擢され、同年11月には日本代表初キャップを獲得する。2019年ワールドカップでは日本初のベスト8進出に貢献し、2021年にはハイランダーズに加入して新人賞を受賞。2023年ワールドカップでは主将として臨んだ。ポジション=ナンバーエイト。身長187cm、体重110kg。

著者プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

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