ラグビー日本代表・姫野和樹がオールブラックス戦へ向けて語る「初めての超速」 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【若手は勇気をもってやってほしい】

 復帰した姫野に対し、ジョーンズHCの期待も大きい。

「姫野はボールキャリーが強く、ラックまわりで倒れ込むことなくボールを持ち続けることができ、タックルをしてもすぐに起き上がって次の仕事ができる。それが強みです。まずは体調をピークに戻すことが大切でした。ケガも治ったので、どんどん期待していきます。自分史上で最高の選手になること、世界一のバックローになることが、彼の仕事ですから」

 約1年ぶりに日本代表活動に参加し、姫野はどう感じたのか。

「若い選手が多く、初対面ばかりでした(笑)。つい最近まで日本代表では自分が後輩で、たくさんの先輩がいるのが普通でした。でも今回、初めてエディージャパンに合流し、チームのフレッシュさを肌で感じています。(キャプテンを外れたことは)何も考えていません。でも、自分に与えられた役割、責任は大きなものがある」

 FLリーチ マイケル(ブレイブルーパス東京)がケガの影響で不参加となったため、今回招集されたFW陣20名のうち、姫野より年上はHO坂手淳史(埼玉ワイルドナイツ)ただひとり。ジョーンズHCは姫野をメンターのひとりに挙げており、姫野もその役割を十分に承知しているため、練習中は常に先頭に立ち、円陣でも若い選手に積極的に声をかけていた。

「チームを引っ張っていくのは自分の強みだし、エディーさんも求めていると思う。日本代表に合流してまだ1週間ですが、自分の持てるリーダーシップを出し、ベストな選手、ベストな人間であり続けるよう努力をしていきたい。

 若い選手は初めてオールブラックスと対戦する選手も多いので、怯えずに勇気をもってやってほしい。自分の経験をどんどん伝えて、チームを前向きにしたい」

 もちろん、姫野も若い選手にポジションを譲るつもりは毛頭ない。

「僕自身、『負けない』ことをテーマにやっている。歳をとってしまうと、それにあぐらをかいてしまい、競争力が落ちてしまう。なので『負けない』という気持ちで自分をあおり、それが結果的にチームの競争力につながればいいなと思う」

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